●連休中に法事を予定されていた方が急なご事情のために来寺できなくなってしまった。しかしそれでも勤めて欲しいとのご希望だった。そこで変則的な無人法要を厳修することにした。こんなことは滅多にないので一般開放する。詳細は拙寺Facebookページをご参照頂きたい。
●近代日本寺院仏教の歴史を反省すれば、これからの課題は〈家〉幻想に代わるシェアライフの核心を見つけることに違いないと思う。血縁関係にない人の七回忌法要に礼服を着て参列する心理を醸成する試みも、また核家族時代に即応した複数家合同年回忌法要のようなアイディアも、いずれも〈家〉幻想を乗り越えようとするものだ。
●コトブキ荘のようなシェアスペースが100個あれば、この町も面白くなると思う。コトブキ荘の会員の方は現在十数人だと聞いている。おそらくこれが小コミュニティをうまく回していくための上限で、これ以上人数が増えるとあの絶妙ないい感じが崩れ始めると思う。だから個々のコミュニティの成員数ではなくコミュニティ自体の数を増やして対応するしかない。それぞれのコミュニティのカラーが微妙に違っていて、みんながどこかへ属し、たまに交換留学生のように別のコミュニティへ行ったり来たりする交流が起これば面白いと思う。
●空き家自体は市内に100個は優にあると思うが、住める状態にはないだろう。しかし空き部屋ならそれに匹敵するキャパシティのものがすでにあるのではないか。私が現在住んでいる家も、私が子供の頃は七人家族だったが、今は二人なので、部屋が余っている。
●余った部屋をシェアすることに対しては、抵抗がある方もいるだろうが、幸い市のほうで国際演劇祭を企画している。世界中から人がやってくるお祭りという位置付けである。まず手始めにこのお祭りの期間中だけでも空き部屋を開放してみてはどうか。私はやるつもりだ。城崎温泉の高い旅館に泊まるのは中国の富裕層に任せておけばいい。
(金川信亮)